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【 JOURNAL #1 】デザイナー古川円が追求する、身も心も解放されるnakesのベースウェア

【 JOURNAL #1 】デザイナー古川円が追求する、身も心も解放されるnakesのベースウェア

アウトドア・スポーツウェアの世界で培われた探究心。

nakesは、約15年に渡り複数のアウトドア・スポーツウェアブランドで企画開発デザイナーとしてキャリアを積んできた、古川円(ふるかわ まどか)が手がけるニットウェアのブランドです。

アパレル業界の中でも特に専門的な知識が必要とされるアウトドア・スポーツウェアの分野。ときには命を守ることにもつながるウェアについて、地道な研究を何度も繰り返す、ストイックな環境と、商品への強いこだわりが必要とされる日々が、彼女のデザイナーとしての根幹を育てました。


“「東京マラソンをゴールした脚で、そのまま汗だくで新幹線に飛び乗ってデザインの打ち合わせに向かったこともあります。」”


当時ランニングウェアのデザインを担当していた際、国内の有名なランニングレースに15レース以上エントリーしていた彼女は、実際のスポーツ選手と同じように42.195kmを完走し、そこで得た体験をもとにして商品企画を行っていたそうです。このエピソードだけでも、彼女の物作りに対する実直な人柄と、深い探究心をお分かりいただけるのではないでしょうか。


選択肢がないなら自分で作る。幼少期からの悩みがブランド誕生のきっかけに。

ブランドのはじまりは、彼女自身が幼い頃から肌が弱く、ワイヤー入りのブラジャーが着用できなかったり、好きなインナーを楽しむ機会がとても少なかったという経験がきっかけとなりました。

着心地が良く、洋服と同じように選ぶことが楽しくなるデザインのインナーアイテムが欲しいという自身の悩みからくる思いとともに試作を重ね、2018年にnakesの代表作となるニットブラを発表し、コレクションを展開。選択肢がないから、と諦めるのではなく、持ち前の探究心とこれまで培ってきた経験を活かすことで、ブランドの歴史がスタートしました。


身体とファッションの架け橋になるbase wear(ベースウェア)

nakesのアイテムたちを、古川は「base wear」と呼んでいます。これは彼女が経験を積んできたアウトドア・スポーツウェア業界で用いられる「ベースレイヤー」という言葉から着想を得た造語です。

ベースレイヤー、ミッドレイヤー、アウターレイヤー、と3種類のウェアを重ね着することで、こまめな脱ぎ着を極力せずにウェア内を快適に保つ方法を「レイヤリング」と呼びます。アウトドア・スポーツウェアショップには、あらゆるシーンに合わせたベースレイヤー(インナーの役割)が揃えられていることが当たり前なのに、レディースアパレルでは洋服と一緒にインナーが提案されることが少ないことへ、彼女は疑問を持ちました。

日常のファッションの中で「ベースレイヤー」の役割を果たす服 = base wear と言う呼び名には、ファッションとインナーの両方の役割を担い、洋服と同じようにデザインを楽しみながら、自身の身体の状態についても省みる、身体とファッションを繋ぐ架け橋となるようなアイテムにしたいという、古川の強い思いが込められています。


身も心も解放されるデザインの追求。ニットウェアにこだわる2つの理由。

nakesがニットウェアを中心にコレクションを展開している理由は、ニットウェアにすることで、布から作られたアイテムよりも柔らかく肌に負担の少ないストレッチ性と、どんな身体にもフィットする美しいシルエットを叶えることができるからです。そして、1本の糸から編み出されるニットウェア独自の製法は、廃棄する材料が少ない、という事もブランドとしてとても大切にしているポイントです。

肌が弱い方でも楽しめる着心地の良さと、未来の環境のことを考えて無駄の少ない製法や生産背景を選ぶ事。nakesはこのふたつを両立しながら、着用する方が身も心も解放されるようなデザインをこれからも追求していきます。



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Words by Saya
Edited by Akiko